津田岳宏の事務所

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2012年12月 9日 (日)

違法カジノの是非

イメージと悪循環の記事のところに、昨日大阪の違法カジノが摘発された件についての私の考えが聞きたい、というコメントをいただいたので、それを書く。

コメントでは、当該違法カジノが、暴力団とのつながりがなくイカサマもないクリーンな店だった場合どう考えるか、という質問をいただいた。

暴力団とのつながりがあったり、イカサマが横行していたりすれば、検挙されるべきなのは当然である。
が、それらがない場合はどうか。


私は、ギャンブルには、健全なギャンブルと不健全なギャンブルがあると思っている。
ギャンブルは、酒と全く同じである。
ギャンブルなんてしなくても生きていけるし、酒など飲まなくても生きていける。
しかし、それらは大人のアクセントとして重要な意味を持つ。
ごく一部の人は、不健全な飲み方をしてアルコール依存症に陥るが、ほとんどの人はそんなことにならない。みんな健全な飲み方をして、明日への活力につなげている。
ギャンブルも同じである。
ごく一部の人は過剰にのめり込みギャンブル依存症になるが、ほとんどの人は小遣いの範囲で健全に遊び、ストレスを発散させている。
ギャンブルと酒で、扱いを異にすべきという科学的根拠は何もない。
酒よりもギャンブルの方が、依存症になりやすく、社会的弊害が出やすい、という調査結果が出たことは一度もない。
少なくとも海外の調査では、ギャンブルの弊害は法律で禁止するほど大きくない、という結果が出ているのである(麻雀のイメージとギャンブルへの偏見参照)。


私が低レートフリー雀荘を捕まえるのが不当だと言っているのは、そこでおこなわれているのが健全なギャンブルであると確信しているからだ。
テンゴのフリー雀荘の依存症になって、家を失ったりを破産した、という人は聞いたことがない。そもそも、物理的にテンゴの麻雀ではそんなに負けられない。

いや最初はテンゴでも、そこからのめり込んでギャンブル依存症になる人もいるだろう、という反論があるかもしれないが、仮にそうなる危険性があったとしても、それがテンゴを処罰する理由にはならない。
それで処罰されるのならば、缶チューハイだってそこからはじまってアルコール依存症になる危険があるので規制すべき、という理屈になる。

結局、低レートフリー雀荘でおこなわれているギャンブルは、それ自体はいたって健全なギャンブルなので、処罰するのは全く不当だ。というのが、私の見解である。



では、違法カジノはどうか。

違法カジノは、仮に暴力団とのつながりやイカサマがなかったとしても、低レートフリー雀荘ほど健全なギャンブルとはいえないと私は考える。
なぜかというと、一般性の点で全く異なるからだ。
麻雀をする人は、ほとんどの人が少ない金銭を賭けて麻雀しているのであり、それはみんな知っている。
刑法学者も、この点でもって、低額の賭け麻雀を処罰するのは不当だ、と指摘している(麻雀裁判参照)。
賭け麻雀は、日本社会で非常に一般的で、健全な人たちが健全に遊んでいる場合がほとんどである。ゆえに、処罰するのは不当である。


しかし、カジノゲームは、麻雀に比べれば、全く一般的ではない。
賭け麻雀をしたことがある、という人は無数にいるだろうし、低レートフリー雀荘に行ったことがある、という人も数多くいるであろうが、違法カジノに行ったことがある、という人はほとんどいないはずだ。
低レートフリー雀荘に比べ、違法カジノは、はるかに敷居の高い場所である。
そんなところ恐ろしくてとても行けない、という人がほとんである。
それでも違法カジノに行くという人は、悪い意味で一般的でない人たちが多い。
結局、違法カジノは、反社会的な人たちが客として集まりやすくなる。


ギャンブル自体は、決して悪ではない。
カジノゲームも、それ自体は何も悪いものではなく、カジノは合法化されるべきであり、そうなれば、健全な人たちが健全なギャンブルをおこなう場になりえるだろう。


ただ、現在の違法カジノは、「ピンまでは大丈夫」という都市伝説が生まれる賭け麻雀ほど一般的ではなく、それゆえ、そこに集まる客には、反社会的な人たちが占める割合が高い。
不健全な人たちが集まる不健全なギャンブル場になっている。
とすれば、仮に暴力団とのつながりやイカサマがなくても、違法カジノが検挙されるのは仕方ない、と私は考える。
付け加えると、フリー雀荘は風営法の許可を得て営業しているが、違法カジノは許可すら取っていないので、その点でも違法性が高いといえるだろう。

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