津田岳宏の事務所

無料ブログはココログ
2016年5月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

« ぼったくり防止条例 | トップページ | 若い世代に期待 »

2014年12月12日 (金)

ソープを詐欺で訴えた男

ソープランドで、やることはやってから「いつまでもこんなところで働いていちゃダメだよ」なんて説教する。野暮な遊びの古典的代表だ。
しかし世の中には、説教を超えて「払った代金を返せ」という裁判を起こしちゃった人もいる。


(事例)


A
は、1回6万円以上する高級ソープランドのB嬢にハマって合計2000万円以上を使った。
その後Aは、Bと店に対し払った代金を返せと訴訟を起こした。
根拠としてAは

①ソープランドは違法な売春をしているので、契約は公序良俗に反し無効である
②店の代金は高額すぎるので、暴利行為に該当し公序良俗に反し無効である

③BはAに「大学院に行きたいんだけど、親が学費を出してくれないから、学費を貯めるためにソープ嬢をしている」と言っていた。Aはこの話を信じていたが、嘘であった。BはAに嘘を信じさせ、同情心に乗じて指名料を含む多額の代金をせしめた。これは詐欺に該当するので、契約は取り消せる

などの主張をした。

またAは、
Bと店だけではなく、Bへの監督義務に違反したとしてBの両親を、さらには、売春防止義務を怠ったとして市と国までも訴えた。



裁判の結果は、Aがあっさり敗訴している。

売春契約は公序良俗に違反し無効であるが、Aは自由意志で店に通ったのであるから不法原因給付(民法708条)にあたり返還請求することはできない、というのが裁判所の結論である。


「不法原因給付」というのは、不法な原因に基づきみずから金を払った人はその返還を請求することができない、という法理である。


売春は確かに悪いことで公序良俗違反であるが、自由意志で買春した人が「公序良俗違反で無効だから代金を返せ」と主張するのは認めないということで、まあ当然の話である。


ちなみに、賭け麻雀で負けた人が「賭博は無効だ」と主張して返還請求をしても、この不法原因給付の法理で、認められない。
麻雀店に対し「お前の店は違法営業をしているから払った金を返せ」と主張しても、同様に認められない。
遊ぶだけ遊んで、違法だから金を返せなどという自己中な主張は、法律はいっさい認めない。


詐欺にあったというAの主張も斥けられた。
将来の学費を貯めている、という話は非常にあいまいでこれが虚偽かどうかの判定は困難であるし、そもそも、Bの話とAの店通いの因果関係の認定も困難である。



このように店はあっさり勝訴しているのだが、店からすると、訴えられるだけで、弁護士費用や時間などの大きなコストが生じる。
Aは、1年余りの間に2000万円以上をB指名で使っている。代金が高額になったのは、Aが「同伴外出オプション」を多用して高額の特別料金を払っていたからだ。
明らかに異常な遊び方である。
店通いので最後で、AとBの関係がこじれたことは容易に推測できる。
そのとき、異常な遊び方をしていたからこそ、Aに、裁判を起こさせるような激しい怒りが生まれたのだ。


惚れた腫れたで店に通っているケースは、それだけでもトラブルにつながりやすい。
とくに過度の色恋営業には、危険がつきまとう。
最近は麻雀店にも可愛い子が増えていて、とても喜ばしいことなんだけど、客が女の子目当てで普通でない通い方をしているときは、店としては、後からトラブルにならないよう気をつけた方がいい。



よろしければクリックお願い致します→

 人気ブログランキングへ

« ぼったくり防止条例 | トップページ | 若い世代に期待 »

法律」カテゴリの記事

コメント

自分の違法性を棚に上げ正々堂々と裁判したぐらいだからストーカーにならずにすんだと解釈すれば、なかなかどうして立派な人ではないか。
膝枕で耳かきしただけで勘違いされス殺された人もいるのだから。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1790625/58246202

この記事へのトラックバック一覧です: ソープを詐欺で訴えた男:

« ぼったくり防止条例 | トップページ | 若い世代に期待 »